マーくんパパ

薔薇のスタビスキーのマーくんパパのレビュー・感想・評価

薔薇のスタビスキー(1973年製作の映画)
3.7
トロツキーのフランスへの亡命で始まり再度追放される激動の1930年代ヨーロッパ。煌びやかな時代を飾った一人の実業家スタビスキーの興廃をアラン・レネがノスタルジームード込めて描く。政界疑獄に進展した実話スタビスキー事件を知っていればもっと深く鑑賞できたかも、ただし政治的陰謀ドラマの匂いより銀行も劇場も握っている1人の派手な詐欺男、公債偽造に罪の呵責などなし金さえあればこの世に怖いものなし妻には贅の限りの装いさせて連れ歩く伊達男スタビスキーの異常なダンディズムに焦点当てている。その象徴が胸に刺す赤い薔薇。ベルモンド年齢的にも男っぷりからも適役、観終わって奇しくも今月亡くなった(88才)ことを知る、合掌。