歩く肉

イヴォンヌの香りの歩く肉のネタバレレビュー・内容・結末

イヴォンヌの香り(1994年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

「髪結いの亭主」同様、閉ざされている世界。徴兵を逃れて身分を偽る男・どこか掴み所のない美女・同性愛の老人は、それぞれに社会から逸脱している。その奇妙な関係性が成り立ったのは、ひと夏だけで、切り抜かれた幸福なひとときは長くは続かない。老人の死はあの夏の決定的な喪失を象徴しているようだった。それを眺める男の表情は、定点保存した想い出への切ない感傷にも、甘い陶酔にも見えた。
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