ジョン

チョコレートのジョンのレビュー・感想・評価

チョコレート(2001年製作の映画)
4.0
〜アメリカの社会構造のなかに浮かび上がる人間の業〜

ハル・ベリーが非白人として初めてアカデミー主演女優賞を獲得した作品。差別主義者の男と、死刑によって夫を失った黒人女性の物語。

親と子の物語であり、男と女の物語であり、白人と黒人の物語でもあるという重層的な作品で、観る人によって感想が変わりそう。
悲しいかな、愛も人種差別も、様々な要素が複雑に絡まり合って成立するのだなと、自分は感じた。断ち切れない鎖を引きずりながら人は生きていくしかないのかと、温かいようで悲しいラストが印象的やった。

邦題の"チョコレート"は年配の白人男性と付き合う若い黒人女性を指す隠語らしく、チョコレートアイスが重要なアイテムでもあるから、中々センスのある邦題やと思う。
ジョン

ジョン