とにかくこの映画、めちゃくちゃ男くさい。出てくる戦士全員筋肉隆々でドラクエの武器屋みたいな恰好してる。その戦士が己の肉体と必要最小限の武器のみで敵と戦う。戦わなければならない理由を持ち、一歩も引かず戦いに挑む男たち。彼らの思いがこの映画が男のロマンに満ちていて「男による男のための映画」に昇華してゆく。
盾と槍だけで繰り広げられる戦闘シーンも非常に泥臭い。スタイリッシュな描き方はされていないがバッタバッタと敵を薙ぎ倒してゆく様は爽快感が伴っている。
敵側のビジュアルがかなり個性ある容姿の物が多い。ただあんまり映画の雰囲気合ってないような気が…。一応史実に基づいた映画なので誇張された見た目のインパクトは完全に邪魔になってるし、敵側の見た目がだんだん胡散臭く感じてきて映画全体の雰囲気も胡散臭く感じてしまった。
BGMもたまにゴリゴリのギターサウンドが使われてるものがあって、映画の世界観には合ってない。紀元前の時代の世界で流れるギターサウンドはどうしても浮いてしまっている。曲はカッコいいけれど。
男くささ溢れる映画の雰囲気の中で繰り広げられるアクションのカッコよさは勿論有るが全体的にちぐはぐしているような印象の映画だった。