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ペイルライダーのhabakariのレビュー・感想・評価

ペイルライダー(1985年製作の映画)
4.0
母娘からの思慕、保安官との因縁といったフックをかき消す、イーストウッド扮する牧師の圧倒的な不穏さ。『荒野のストレンジャー』の町人が臆病な罪人であり、懲罰の当事者であったのに対し、カーボン渓谷の住民は単なる傍観者に過ぎない。彼らの知らぬ間にことが起こり、知らぬ間にことが終わる。彼らが垣間見せるフロンティア・スピリットも、イーストウッドの戦闘能力に甘え切ったまやかしでしかない。ラスト、”Long walk.”で締める透徹さは勧善懲悪の生温い快感を許さない。
馬に引き摺られる死体から保安官の顔面にシームレスで繋げるショットは至高。
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