habakari

コントラクト・キラーのhabakariのレビュー・感想・評価

コントラクト・キラー(1990年製作の映画)
3.5
なんかヒッチコックの本歌取りみたいだったな。「間違えられた男」テーマ、男女の逃避行、男にとって都合のよいブロンド美女、トラックアップの多用(ヒッチほど技巧的ではないが)。舞台は英国だし。
ただ演出面ではいつも以上にブレッソン味が強いし(手や落下物のクローズアップがまじで多い)、深い影からはメルヴィルの香りが漂う。設定/演出の引用元のズレと、イギリス在住のフランス人という主人公の設定が符合している気も。
ラスト、窓辺に立つセルジュ・レジアニで締めるのが良かった。ベッケル『肉体の冠』で果たされなかった男と女の逃避を見守る姿よ。
あと花と暴力(サスペンス)はセット。
habakari

habakari