喵來

日本のいちばん長い日の喵來のレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.5
ドラマチックではなく淡々と。ヒトラー虐殺会議のように議事録に沿ってるかのような静観さ。最初の方特にシンゴジラでお好み。
終わったと思っていた瞬間、それは始まりに過ぎなかったと気づく。
阿南と総理のやり取りが1番締め付けられる。。
三船敏郎最高。。。
クーデター派のイっちゃってるまでの活力との対比がいい。暴走ぶりが怖かったぜ
役者が全力でぶつかり合うのが最高。。



ポツダム宣言の傍受が7月末にはしてたのを知らなかった。プロパガンダに使われるのは想像がつくし、ソ連に媚び売りたくて明確に反対しなかったのもわかる。言葉の微妙な訳し分けとかマスコミによる誇張によって日本での現実と連合国での報道が大きく変わると言うのも戦争の現実。報道合戦と言うのも20世紀の特徴であろう。
上層部の政治的会議の裏で原爆が落とされたというなんともの皮肉。

宮城事件も知らんかった(おばか)
軍部側と政府側の意見の不一致がありありと。何処の世にも通じる。
ハクソーリッジの切腹シーンにさすがに閉口したけど、軍部の近衛師団のありようを見たらあながち筋違いではなかったのかも知れん。。理想と違うものはすべてなかったことにしてしまう。。

同じ陸軍と言っても一枚岩でもない。
中枢と現場の齟齬も乖離も大きい。
その乖離によって、あの数時間のうちに失われる必要のない命が失われたと言うことが、最も大きな損失。でも誰が悪いと言うわけではなく、制度と教育の問題である。習ってないことはできないよ。
クーデターさえしていいと思ってしまう

天皇に反するものが非国民なのではなく、もはや戦争に反するものが非国民と言う転換

受諾会議の裏では天皇至上思想による「マイクの前に立たせること」への畏れもあったのは驚き。天皇関連の手続きのアホらしさも。清書にも時間のかかる。玉音放送の録音が出来上がったのが14の夜中。。
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