HidekiIshimoto

日本のいちばん長い日のHidekiIshimotoのレビュー・感想・評価

日本のいちばん長い日(1967年製作の映画)
4.5
玉音放送を耳にしたのはほとんどが映画の中でだったしそれだけ多くの映画でこのエポックは取り上げられてるのだけど、そこに至る24時間にどんな事があったかはこの作品で初めて知って仰天したもんだ。リメイク版も観たけどやっぱりこっちの方が凄まじい。町山映画塾の制作秘話が激しく面白くてまた観たら、なんかそれぞれの立場にいるありんこ達がそれぞれの立場につき動かされてるだけのようで、面白いよりも哀しくなった。徹底して権力下の個の抵抗と哀れを描く岡本喜八が権力側を善良な感じに脚色し、かたや一般市民と権力者の中間立場の将校達を激しくクレイジーに描いているのは凄い。黒沢年雄と天本英世の異形は夢に出るレベルで終盤登場の加山雄三が異次元的にマトモに見えた。ありんこにも色々いるねとソラリスの海なんかは思うだろう。