わたがし

沖縄やくざ戦争のわたがしのレビュー・感想・評価

沖縄やくざ戦争(1976年製作の映画)
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 千葉真一演じるキャラが人間ではない何か別の生命体になっていて凄かった。顔の筋肉の動かし方とか、所作とか立ち振る舞いとかが人間のそれではない。脳裏にこびり付いて離れないんで、後半からも松方弘樹と同じ気持ちでストーリーを追える。脚本とキャスティングの相乗効果ってこういうことを言うんだな
 中島貞夫の情熱ベースの冷静さみたいな眼差しが返還前の沖縄の薄ら寒い雰囲気とマッチしてて、他の東映ヤクザ映画よりヒリヒリする(実際に沖縄では撮ってないらしいけど)。残酷描写もなんか他より気合い入ってる。出血に余念がないし拷問方法が多種多様、救いようのない展開も盛りだくさん。かと言って過剰に深刻になるわけでもなく、とにかく銃がたくさん出てくるので楽しい。終盤のジープ虐殺シーン何回でも観れる。一応は実話の映画化なのにこの政治性のなさ、無神経さ、っていうのも東映実録ヤクザ映画の魅力のひとつだな
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