しおの

空飛ぶ生首のしおののレビュー・感想・評価

空飛ぶ生首(1960年製作の映画)
2.6
公開当時にこれが脅かす映画として成立していたかもわからないが、とりあえず今見ると驚かし効果がこけおどしにもなっていないので人を脅かす映画としてはその役割を終えている。そもそも怨霊が万能過ぎて生きてるのと変わらないレベルなので恐怖感がない。その変わりに特殊効果はパターンも量も多く序盤から惜しげもない怨霊演出のオンパレードなので、これをいい味として見所に出来る人には最高の映画かもしれない。しかし見終わってこれが1960年の映画だと気がつくとやはり当時としてもかなり安い映画か。
サスペンスとしては怪異映画なりにシナリオは計算して作られている感じで怪異映像を盛り込みながらもラストに向けて無駄がない。ただ演出面でサスペンス演出と怪異ホラー演出がまぜこぜで結局どちらにもなっていないうえにどちらも安っぽいので中途半端な感じがする。音楽エフェクトも中途半端でどういう気持ちを煽りたいのかわからない。原題TORMENTEDは「追いつめられて」というような意味でサスペンス映画ぽいが邦題は見ての通りでここでもサスペンスにするかホラーにするかの喧嘩がある。
演者では子役のスーザン・ゴードンが普通に良くて最も印象に残る。さほど有名な人はでていないかと思ったら、調べてみると主人公を恐喝してた奴役ジョセフ・ターケルがのちに「シャイニング」のバーテンダー役を演じて映画史に残っている
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