ペイン

幸福(しあわせ)のペインのレビュー・感想・評価

幸福(しあわせ)(1964年製作の映画)
4.7
ポスタービジュアルやタイトルからほんわかした作品をイメージする人も多いかもしれないが、完全にアリ・アスター案件。

冒頭、ひまわりのアップと家族四人が仲良く手を繋ぎながら幸せそうに田園を歩いてる姿が写し出されるが、徐々にそのひまわりが枯れていく。不吉な予感がプンプン。

ルノワールやモネといった印象派の画家を彷彿とさせる色彩とタッチで、何気ない日常の幸福の影に潜む病理を描き出した大傑作。

それにしてもこんなにも病んだ恐ろしい作品を当時ジャック・ドゥミと結婚したてだったアニエス・ヴァルダが撮ったと思うと何があったんだ?と勘繰りたくもなる。

計算された色彩設計に加え、カットバックの使い方など撮影法もかなり独特で歪な作品。あの夫の悪気のない無垢さ故の結末…ただただ戦慄。
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