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ルパン三世 ルパンVS複製人間のtyapiokaのレビュー・感想・評価

4.3
2019.04.19
子供の頃観たときは、不二子のエロシーンや少し不気味なシーンを親と見るのが気まずくも、親と同じものを見る背伸びした楽しむみがあってよかった。大人になると、渋さや、不死への考察、キザかつハードボイルドな台詞回し、どこかオカルトチックで美しいセル画に魅せられる。美術品のような一枚絵が美しい。アニメならではの演出が多いのも楽しい。他のルパン映画と違い、しっかり不二子がヒロイン。ルパンに寄り添ったり、騙したり、それでもやっぱり愛がある。マモーの複製人間からの正体は脳、そして宇宙に漂う脳髄の画も強烈。そもそもの見た目もデフォルメが不気味で声もいい。ストーリーは、かなり無茶苦茶なのに違和感なく見れるのはルパンのキャラクターのおかげだろう。ルパンが自身を取り戻す物語というのも、ルパンが夢を見ないというのも、よい。タイトルの入り方、エンディング、両方好きだ。
2020.07.11
映画館で観ると光の使い方の美しさに惚れ惚れする。光の当たっている部分と影になる部分をはっきり分けることで、とてもお洒落かつハードボイルドな絵柄になっている。美術作品を真似た画の世界にルパンがいる奇妙さも、大画面で観ると細かく堪能できよかった。また、映画館の音響だとかなりBGMの力も優れていた作品なのだと感じた。マモーの不気味さを引き立ててからの、脳味噌が宇宙空間を漂う無音がよい。また、はじめて気づいたがエンディングの最後の最後でルパンと銭形がコケていてコミックに戻ってきた感があった。コミックとしてのルパンや神としてのマモーすら下してしまうアメリカから、つかの間の勝利をルパンが修めたような気がしてホッとした。また、作品を通してルパンと不二子がたった一度しかキスをしていないというのも大人のロマンスを感じられた。
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