緑

ダイナマイトどんどんの緑のネタバレレビュー・内容・結末

ダイナマイトどんどん(1978年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

「がんばれ! ベアーズ」未鑑賞

九州やくざがチャカやドスをバットやボールに換えて
わちゃわちゃ戦う話。

であると同時に戦後の空気が色濃い作品。
やくざたちの元気さにその先の高度経済成長の兆しが感じられ、
岡源側コーチの手と言葉に戦争の痛みあり。
ラストが全員沖縄送りというのも。

ずっと前から観たかった作品。
期待通りのおもしろさ。
期待を温めすぎていたせいか、
期待以上とまではならず。

田中邦衛はアル中ピッチャーとして
1点集中でおもしろを置き逃げ。
これも併映の「浪人街」もレアな田中の姿だった。
しかし、どちらも出番が多くはない。
田中の追悼特集上映でこれらを2本立てで組む
新文芸坐のセンスよ。(褒めてる)

菅原文太の着流しと彫り物が恰好いい。
昨今のやくざ映画であんな立派な彫り物には
なかなかお目にかかれない。
暴れっぷりはいつも通り。

北大路欣也はやくざらしく人の話を聞かない。
マウンドでの脚の高さに驚く。
途中で橋伝に寝返ったのに堂々としていて、
普通なら何だこいつと思うところなのに
北大路欣也の圧にまっとうな感想が潰される。

宮下順子は罪作り。
真逆のメッセージを添えて同じ花束はないわー。

メイン3人は両想いに横恋慕というベタな関係。
でもそんなことはどうでもよく、
枝葉のほうが遥かにおもしろい。
全編通してのストーリーではなく、
シーンごとのおもしろさとその積み重ねが楽しい。

前述の田中邦衛。
狡い金子信雄。
セコい藤岡琢也。
なによりハガハガフガフガな嵐寛寿郎!!
アラカン最高!!

脇の組員の中では丹古母鬼馬二が存在感あったが、
それでも菅原や北大路とは比べ物にならず。
役柄の違いじゃないんだよな。
主役を張れるの役者の持つ「華」がすごすぎる。
緑