ましろ

フォレスト・ガンプ/一期一会のましろのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

1月、大学の講義で視聴。

以下 レポートに書いたことを少し


ストーリーは、知能指数が少し劣る主人公フォレストの語りで進行していきます。軽快なテンポ感でクスッと笑ってしまうようなユーモアに溢れたお話が進んでいくためとても心地よく、気づけばフォレストの世界に引き込まれていってしまいます。
そんなフォレストの人生を語る上で絶対に外すことのできない重要な人物が数人います。今回はその中でも特に影響を与えた二人の女性を中心に紹介していきたいと思います。
まずは母親です。フォレストのお母さんはとてもアグレッシブで聡明な人でした。少し知能が劣っているフォレストでしたが、お母さんはフォレストに出来るだけ他の人と同じ機会を得られるように動いてくれる良き母親でした。そんな母親と二人で暮らしていたため、学校に入るまでフォレストの世界は母親が全てでした。生まれつき背骨が曲がっていたフォレストは足に強制器具をつけなければならず、学校に入ってからはその器具と知能指数が周りより少し劣っているせいでいじめられていました。そんなフォレストの世界を明るく広げてくれる人物に出会います。
ジェニーです。ジェニーはフォレストの唯一の友達であり幼馴染の親友で、恐らくフォレストの人生に最も影響を与えた特別な人です。二人はいつも一緒で、フォレストが言うには“豆と人参”のような関係でした。
ある時フォレストがいじめっ子に石を投げつけられてしまいます。その時ジェニーが「Run Forrest!」と叫ぶのを聞き、フォレストは力の限り走り出し、ついには足の矯正器具が外れてしまいます。矯正器具が外れてしまったフォレストは転ぶどころか、信じられないスピードで走り続けることができたのです。
この出来事をきっかけにフォレストの人生はさらに好転していきます。
フォレストはアメフトのスターで、戦争の英雄で、そしてピンポンでまたまた名を挙げ、世界的な飲食店の社長で、4年間アメリカを走って横断するという人生を送ります。この物語の面白いところは、フォレストのこういった数奇な人生が実際の歴史や芸能人、世界的企業と関連していくことです。中でも私のお気に入りはエビ漁船の話です。今までの物語の流れに驚くほどに自然に、しかも立て続けに有名企業の名前が入ってくるので本当に笑ってしまいました。
フォレストが驚くほどに純真で真っ直ぐな人だったがために歩んだ奇跡のような人生、それと対比的に描かれていたのがジェニーです。ジェニーは幼い頃に父親から性的虐待を受け心が壊れてしまっていました。ジェニーの人生はそこから波乱万丈で、時代に流され傷つき何度もフォレストとすれ違ってしまいます。しかし最後には本当に幸せになれる場所を見つけることができました。
アメリカの明るい歴史を表すフォレストとアメリカの暗い歴史を表すジェニー。光であるフォレストが闇であるジェニーのことを一途に思い続けたこの物語はクスリと笑える始まりであったのに、見終わった後は温かい気持ちになり思わず涙してしまうような綺麗なストーリーでした。
この映画は、自分も周りにどう見られるかを考えずに自分自身のことを信じて行動してみたい、あれやこれや悩まずに素直に、真っ直ぐに生きていきたい、そう思わせてくれます。なんだか心が洗われて前向きになれる素晴らしい作品でした。
日々の生活にほんの少し疲れてしまった、そんな人にお勧めの作品です。
ましろ

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