ブラックユーモアホフマン

スパイダーマン2のブラックユーモアホフマンのレビュー・感想・評価

スパイダーマン2(2004年製作の映画)
4.7
絶賛、NWHネタバレ回避生活遂行中です。まだ予習中。

世論とズレたこと言うかもしれませんが1作目の方がより好きでした。
でもうん、確かに2も面白い。あと批評的により分析しがいがあるのも分かる。

ヒーローもヴィランも全員二重人格で、グリーンゴブリン=ノーマン・オズボーンが二重人格のまま死んでしまったのに対し、ドクター・オクタヴィアスは本来の人格がアームの人格に勝利し怪物としてではなく人間として死んでいった。
そして、スパイダーマン=ピーター・パーカーはその二つの人格を一致させることに成功する。

やっぱり好きなのは、古典的なモンスター系ホラーの物語の系譜を汲んでいるところだろうな。多分、スタン・リーがそこは既に意識していて、且つサム・ライミもそれを理解してちゃんと映画にしてるんだと思うな。

CGのレベルが一作目より上がっていて、今見ても全く遜色ない。とは言え今よりは当然粗いのだけど、それが気にならないのは演出のおかげだろうな。
が一作目の感想にも書いた通り、僕は一作目のどこが好きだったかってその映像の質感というのもあったのだ。良い意味での古めかしさ、チープさ。そこにこそ恋したので、この技術革新には寂しさも感じる。

しかしアクションの撮り方の上手さは相変わらず素晴らしい。糸ジャンプアクションで、スパイダーマンの動きを追いすぎない巧みさ。たまに画面から見切れたりするカメラワークの上手さ。すごい。

そして何と言ってもアメリカ映画の伝統的クライマックス、列車アクション。面白いなあ〜。特に飛ばされて柵の隙間をシュッと抜けてまた列車の屋根に戻って、攻撃に転じるところのアクションが超カッコいい。

脚本に関して思ったこと。
尺の都合で難しいとは思うけどもう少し、ドック・オクになってしまう前のオクタヴィアス博士とピーター・パーカーとの親交が厚いものであったら、終盤の展開により感動できたと思う。

MJが結婚式から抜け出す。やっぱり『卒業』だ。でもピーターが連れ出すわけじゃなく、MJが自ら抜け出す。MJが勇気ある女性で良かったね。そこはニューシネマ時代からの変化を感じる。男が女を無理やり連れ出して「俺と一緒にいられて幸せだろ?」ってマッチョな考え方じゃない。ただ女性が自らの意志で、っていうのも男にとって都合良すぎる気がしないでもないけど。

子供の頃、これも当然テレビ放送でなんとなく観てはいたけど、やっぱり子供には難しかった。
特に糸が出なくなる云々のくだりが分かりづらくて。なんでシーンによって糸が出たり出なくなったりするの!さっき出なくなったんだからずっと出ないんじゃないの!もしかして時系列過去に戻ったの!?くらい思ってた気がする。
大人なら、あー精神的な問題で出たり出なかったりするのねー分かるーそういうことあるよねーってなるけど子供には分かりづらい。一回出なくなったら何かを解決しない限りずっと出ないはずだ、と考える。糸が出ないなりの工夫した戦い方を考えるのかな、とか思う。まさか気持ちの問題でヒーローやるやらない悩んでるとは思わない。
意外と精神科のお医者さんのシーンがすごい大事だった。ここちゃんと聞いてないと分かんないんだな。

トビー・マグワイアの顔が面白い。変な顔!って子供の頃は思ってたけど、今は面白い顔!って思う。
キルステン・ダンストのことあんまり美人じゃないなと思ってた子供の頃の自分はやっぱりガキでしたね。信じられない。絶世の美女じゃないか!やはり最高のMJ。
そしてまたしてもJ・K・シモンズ。最高だなこのキャラ。結局一番好き。ちなみに「ドクター・ストレンジ」の名前が出てきたけど、今度のNWHに出てくるのは偶然?あ、おい!絶対ネタバレすんなよ!
あとまたブルース・キャンベル出てきたのも笑った。

手術室でアームが暴れるシーンの演出が完全にホラー映画!!さすがサム・ライミ!!チェーンソーまで出てきてサービス満点。こういう描写はお手の物ね。
そのシーンだけじゃなく全体的に怖がらせ演出が効いてた。

あとトリッキーな撮り方。アームそれぞれについた目の映像が出て四分割になるカットとか、ドックオクが近づいてくる音に合わせてカメラがドン、ドン、ってズームしたりとか。さすがだなあ〜面白いなあ〜。

【一番好きなシーン】
手術室のシーン。