向かいの山頂からゴジラの顔が現れる。怖い。明るい昼間なのに怖い。
日本では山そのものが神だと祀られているから、その山よりも大きいゴジラを見せることで絶望してしまう。
神を超越するものを人の欲望で生みだし、それに人は蹂躙される。
科学者はこの矛盾を知りながらも、新たな技術を発見し歓喜する。そして、悲劇をも予見するが、悲劇は現実となる。
科学技術によって人類は喜怒哀楽を繰り返す。未来永劫。
そんな愚かな行為に人類は敬礼をするけども、蛮行は続くよ。いつまでも。
「人類は経験を積み重ねながら退化しているぞ」と言う、ゴジラの叫びが聴こえる。