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カリスマのgrpcdのネタバレレビュー・内容・結末

カリスマ(1999年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

早稲田松竹 黒沢清特集レイトショーで5作目。5本全部観たけど『CURE』の次に好きなのはコレ。
進退きわまりクビ寸前の刑事(役所広司)がなんか色々あって勝手に悟りに至るまでの道のりをタルコフスキー的なビジョンで悠々と、しかし緊張感を持って描いた。黒沢監督の作品はどれもロケーションが異様にカッコいいが、特にこの作品に出てくる養老院の廃墟は最高。院長の妻だった未亡人と椅子に座り向かい合って会話するシーンは息を呑む美しさ。老婆のシルエットが静かに輝き出す。
観念的な会話が多くややもすると難解な印象を受けるが個々人の主張や価値観は一貫しており一応納得はできる。生きる力と殺す力の鬩ぎ合い。
松重豊、大杉漣といった面々のなかでひときわ存在感を放つのは洞口依子。何を考えているのかわからない奇矯なキャラクターで、SPANK HAPPYの岩澤瞳のような怪しい魅力にやられた。1999年の作品ということもありCGのチープさだけが残念。『蛇の道』よりこっちをリメイクしてほしいな〜
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