アッバス・キアロスタミ監督の長編デビュー作。
サッカーに夢中な10歳の少年が、テヘランで開催されるサッカーの試合を観に行くため、あの手この手でお金を集める。
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アッバス・キアロスタミ版『大人は判ってくれない』。キアロスタミ監督作品には、必ず正直で純真な心を持った子どもが登場するが、本作は"サッカーの試合が観たい"という想いに正直な悪ガキが主人公。
平然と嘘を付くは、親の金を盗むは、人を騙して金をかすめ取るは、散々たる悪ガキっぷり。このクソガキ〜💢とは思ったが、それでも少年の冒険と夢を応援してしまった。判ってくれない大人たちに囲まれてしまったことへの同情もあったし、冷静に考えて10歳でこの度胸と行動力は尊敬に値する。動物として強い。
大都会で感じた孤独と自分の非力さ、突き付けられる不条理、無視できない罪悪感。こうやって、少年は大人になっていくんだな。ラストカットは厳しくも、壮観だった。
悪質転売ヤー。人間の考えることは時代場所を問わない。
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