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わが町のhummingbirdのネタバレレビュー・内容・結末

わが町(1956年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

織田作之助原作(監督と仲が良かったらしい)。大阪の長屋で暮らす男の人生を明治・大正・昭和を通して描く。

川島雄三にしては珍しく、とてもオーソドックスな内容だと思う。

主人公のターやんは個性が強く、家族を困らせるので、見ていてかなり困惑するけれど、彼なりに家族を愛していて、ジーンとする場面も。そのさじ加減がうまい

映像は長回しはやってなくて、ごく普通のカット割。舞台の長屋や町並み(ひょっとしたらセット?)、髪型・衣装など、それぞれの時代に合わせてあって、素晴らしい出来だと思う。

最後に、ターやんは孫にこれまでの生き方を厳しく批判され、肉体的な弱さまで自覚させられ、夢をかなえて亡くなってしまう。これは、戦前までの近代日本の終わりということだろうか(この作品はその時代へのノスタルジーと決別なのかも)。

撮影は高村倉太郎。川島雄三が日活時代の多くの作品で組んでいた人のようだ。
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