けーはち

かちこみ! ドラゴン・タイガー・ゲートのけーはちのレビュー・感想・評価

3.8
強さだけがモノを言う!近未来暗黒武侠都市・香港!義理で育ての親と共に悪業に手を染めたが、足抜けしたいドラゴン(ドニー・イェン)と、彼を正道に連れ戻したい弟タイガー(ニコラス・ツェー)。そんな彼らを、悪の結社・羅刹門が見逃すはずもなかった。彼らの大切な人はあえなく悪の手にかかってしまう。龍虎相見え、怒りの復讐劇が始まる!

★「かちこみ!」って何だよ、邦題め。中身は実にマジな、古き良き香港映画の武侠活劇を現代風に起こしたもの。

★かの地では大人気連載中のコミックの映画化であるらしい。コミックのページがパラパラッと開かれ、次第に実写に移る演出は、Marvelのそれをそっくり持ってきた感じだが、本作はその後プロローグの何分か冒頭にアニメが入る、なかなか気合が入った出来だ。

★いざ実写活劇が始まると中身はひたすらカッコいい。基本は生身で、ワイヤー、CGによる特殊効果も必要とあれば惜しみなく使うキメキメ中国武術アクション。特撮ヒーロー・バトルを何倍もの濃度で煮詰めた、まるで『ドラゴンボール』原作のようである(エヴォリューションの話はしていない!)。ドニー・イェンもニコラス・ツェーも非常にマンガっぽいデザインの役を演じるせいでサラーッと前髪が伸びていて片目が見えないのだが、そんなハンデも何のその、動く動く。

★全体で90分強しか無いのに、残り30分余りで、唐突の超回復、超必殺技伝授、パワーアップ展開(!)。何だかんだでこの時点では観客もマンガ的な世界観にどっぷり浸ってるから、何が行われても受けいれてしまうだろう。それにアクションは最後までキレが止まらない。ラスボスの非常に激しい一打必倒の八極拳のような攻撃に、ドニーは八卦掌の動きで素早くしなやかに柔よく剛を制して行く。とてもカッコいい。前半の日本料亭戦も、一対多をヒラリヒラリと華麗にこなすドニーの動きには目が離せないぞ。大味な古き良き香港映画のノリで、最新鋭のグラフィックと超人的アクションを心ゆくまで楽しめる。