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警視庁物語 七人の追跡者のcatmanのレビュー・感想・評価

警視庁物語 七人の追跡者(1958年製作の映画)
4.0
1958年公開のシリーズ第7作。クライマックスの渋谷パンテオン前で繰り広げられる犯人逮捕劇、ゲリラ撮影(たぶん)の臨場感、ワイドショットとクローズアップの対比を緻密なカット割りで繋いで緊張感を高める演出が凄く良い。劇伴もシブい。

ところでまたOPクレジットについて不満を言っちゃうけど、本作は堀雄二と小宮光枝と大村文武の三人がトップクレジット。スター俳優不在が特色の本シリーズとは言え、捜査一課の中心メンバーを差し置いて小宮と大村がトップに来るの腑に落ちない。まあ小宮光枝は大好きなんだけど。

短い出演ながら貴金属店の几帳面なオーナーを印象深い演技で見せる加藤嘉は流石。部下の女性を愛人にして仕事中にホテルでシケ込んでいる下衆な経理課長を演じる小沢栄太郎は存在感あるんだけど、芝居が些かオーバーなので本シリーズのテイストからはちょっと浮いている様な気がする。自分の店(バー)を持つため、金を出してくれるオヤジをパトロンと割り切って付き合う気の強い派手めな女性を演じる小宮光枝、良いなあ。

クライマックスの犯人逮捕でグッと上がったテンションを直ぐに断ち切って、主任の神田隆がひとりでお留守番をしている捜査本部にあっさり場面を切り替えるラストも凄くいい。「うん、うん、そうかご苦労だったな」57分。
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