けーはち

トイ・ストーリー3のけーはちのレビュー・感想・評価

トイ・ストーリー3(2010年製作の映画)
3.8
持ち主が大人になる時、おもちゃの迎える幸せな結末とは──2010年の質量ともきわめて精細に進化したCGで描かれる3作目。懐かしい子供時代、イメージの世界で一緒に遊んだ思い出から現代に飛んで、放置されたおもちゃ箱とともに一家の飼い犬もすっかり老いさらばえて出てくるシーンからノスタルジー全開で目頭が熱くなる。年少の保育園児は対話不能なモンスターで、保育園がまるで愛を失って狂ったサイコパス監守に支配される監獄としてホラー空間のように示されるのが面白い。バズのスイッチを切り替えるとスペイン語になるあたりなども笑わせてくれた。一方、前作までの監督で本作まで製作に携わっていたジョン・ラセターが社内で女子社員に過度なボディタッチなどセクハラの咎で追放され4が彼なしの体制で作られ、本作には居ないヒロインのボー・ピープの主体性がフィーチャーされたのは、時代の1つの転換の象徴かなとも思う。