イチロヲ

マルクス兄弟デパート騒動のイチロヲのレビュー・感想・評価

マルクス兄弟デパート騒動(1941年製作の映画)
3.5
百貨店の若きオーナーを支援するべく雇われた私立探偵が、狡猾な支配人を中心とした不満分子のグループと対峙する。戦前戦後のハリウッド喜劇を牽引したグループ、マルクス兄弟の第11作目。

新オーナー(当時の人気歌手トニー・マーティン)を護るため、マルクス兄弟が百貨店の内部事情を洗っていく。カリカチュア化されているため、当時の百貨店の様子をそのまま鑑賞することはできないが、シュールな舞台装置を楽しむことができる。

前半部、店内をダイナミックに移動しながらシング&ダンスする「Sing While You Sell」が、最高潮ともいえるインパクトを誇っている。中盤部に入ると、トニーの歌唱とチコ&ハーポの楽器演奏がフィーチャーされるため、喜劇が停滞気味になってしまう。

クライマックスに入ると、例によって店内を舞台にしたアクロバットが登場。編集の妙を利用したトリック映像の釣瓶打ちになっており、グルーチョが運転する自転車が一輪車に変化するビックリ芸など、映像から目が離せなくなる。
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