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マダムと泥棒のcatmanのレビュー・感想・評価

マダムと泥棒(1955年製作の映画)
5.0
1955年イギリス映画。ビックリするほど面白い。映像センスが洗練されていて感心する。
余計なお節介で周囲を混乱に巻き込むオトボケ老婦人を演じる当時77歳?の女優がとってもチャーミング。鬱陶しくなりがちなキャラクターなのに、演技も演出もやり過ぎないバランス感覚がちょうどイイ。大学教授を装う強盗団のリーダー、ダークサイド仕様のアレック・ギネスは表情や仕草が豊かでホントに巧い。唸る。やっぱり彼も声とセリフ回しがイイんだなぁ。若きピーター・セラーズとハーバー ト・ロムという後のクルーゾー警部とその上司ドレフュスの二人が強盗団の仲間として顔を揃えているのも楽しい。セラーズは今ひとつ印象薄いけど。

英国らしいブラックユーモアをたっぷり含みながらクライムサスペンスの緊張感もある、それでいて最後は痛快なオチと共に心が暖まるという実に天晴れな展開。キャスティング、撮影、美術、脚本、97分の尺、洒落たオリジナルポスターのイラスト、全て良し!

イギリスの伝統的な「イーリング・スタジオ」を紹介する特典映像も勉強になりました。
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