CHEBUNBUN

怒りのキューバのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

怒りのキューバ(1964年製作の映画)
5.0
【『國民の創生』、『戦艦ポチョムキン』なんかよりも、、、】
久しぶりに『怒りのキューバ』見直してみました。キューバに昨年行っただけに魂が揺さぶられる作品であった。議事堂横やハバナ大学、海岸の変わらぬ景色に懐かしさと高揚感を抱きました。

今、映画史の授業をすると初期の映画技法として、『國民の創生』、『戦艦ポチョムキン』が挙げられがちですが、21世紀になって随分経つのだから、同じプロパガンダ映画でも『怒りのキューバ』を教えた方がいいのではと思う。間違いなくブンブンが映画史の教鞭とるなら『怒りのキューバ』で授業することでしょう。

本作は『ブギーナイツ』や『ラ・ラ・ランド』で素晴らしすぎるプールシーンの引用が指摘されるが、他にも恐らくは『イングロリアス・バスターズ』の燃ゆるスクリーンシーンなんかでも引用されています。

とにかく、カッコいいシーンの2時間15分に及ぶアイデア手帳となっているので、少々とっ散らかった物語など全く減点対象になりません。

ここで、ブンブンが一番好きなシーンを語りたい。ブンブンはテロリストの狙撃逃走劇シーンが好きです。我らの自由と叫び、ビラを巻く、しかしテロリストは背後から狡猾な銃によって殺される。市民は団結してハバナ大学から徒党を組んで降り、放水に負けんぞと立ち向かう。車を倒して盾にしながら治安部隊と戦う場面は映画史に残るし、群vs放水が個人vs放水に移ろいゆくクライマックスに切なさを覚えました。

もし貴方が映画監督を目指しているのなら、撮影監督目指しているのなら、悪いことは言いません。観てね!
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