デニロ

赤い水のデニロのレビュー・感想・評価

赤い水(1963年製作の映画)
3.0
1963年製作。原作杉浦明平。脚色柳沢類寿 、山形雄策 、山本薩夫。監督山本薩夫。

わたしが今住む町。30年以上前に定着したのだが、引っ越してすぐの頃至る所に怪文書が張り付けられていた。よく知らぬが議会の議長が失踪したのだそうだ。何かをしでかして逃げたのだろう。その数年後、市長が逮捕される。なんか凄いところに来てしまった、と思ったものです。

そんな市議会の議員さんの欲得物語が綴られます。よくもこれだけの悪相を揃えたものだと感心するのだが、よかったのはそれくらいで綴られる物語は、現実の地方政治でいまも息づく政治で飯を食っている連中を見聞きしてしまっている現在では、もはやファンタジーでしかない。

大映時代の若山富三郎(城健三朗)が観られるのと、やりすぎの伊藤雄之助の怪僧が実に気持ちの悪い一篇。

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