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ファニーゲームのicのレビュー・感想・評価

ファニーゲーム(1997年製作の映画)
2.7
「虚構は、今、観ている映画。虚構は現実と同じくらい現実だ」

とんでもなく胸糞映画なことは間違いない。
しかし、前述のような意味深な台詞がどうしても、モヤモヤを残していく。

リモコンで巻き戻しがきく世界。この残酷な映像を、虚構と思わせたいのだろうか。時折、視聴者側に話しかけるようなカメラ目線。これこそ、不気味で仕方なく、いつの間にか私たちはこの緊迫感のある現場にいるかのような気持ちにさせられる。ただ私たちは安全地帯で見ていることに変わりない。手を下す者と、それを見ている者(私たち)。どちらのほうが冷血なのか。
そして、もう、見てられないから次に行ってほしい、と思わせてくる長回し。ただの胸糞映画で終わらないのは、こういった至るところに張り巡らされた映像としてのギミックのせいなのだろうか。

自分なりに解釈しようと思ったここ数日。
昔読んだナポレオン・ヒルの「思考は現実化する」という本のタイトルを思い出した。「虚構は現実と同じくらい現実」というのは、なんとなくイメージできることは起こりうる可能性がある、ということではないだろうか。

宗教との関係についても、気になる。
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