萩原くわがた

大菩薩峠の萩原くわがたのレビュー・感想・評価

大菩薩峠(1966年製作の映画)
-
主人公の机竜之助が邪悪すぎる!すれ違いざまに知らん爺をなんとなく斬り捨てるな!しかしそんな残酷な奇行も仲代達矢のガンギマリ眼球を見ると納得してしまう。そうだ、お前はすれ違った爺をなんとなくで斬り捨てなきゃだめだ。

本当に主人公が血も涙もない邪悪すぎるのに主人公。誰かこいつを止めて〜!みたいな気持ちなのに凄まじく強いしかっこいいのでみんな斬り伏せられていくしサイコなので情にも訴えかけられない。表情のアップ見るたびにゾクゾクする。必殺の”音なしの構え”がカッコ良すぎる。誰か早く机竜之助を早く止めろ、構えを攻略しろ…!

主人公が凶悪なので殺陣も凶悪で、血がバシャバシャ出るしぶつ切りにされた侍たちの断末魔や手足が悲痛に転がる。
机竜之助がうすら笑いしながら斬り伏せる姿、刺さる人がめちゃ居そう。カッコ良すぎる。

物語は進むごとに因縁が因縁を呼びどんどん盛り上がっていくんだけど勿論主人公が完膚なきまでの悪人なのでストーリーも明らかに変な方向へ舵をとる。でもそれも納得してしまうし、逆に普通に終わらないでこの進み方でありがとうございますという気持ちになる。これが本作が特別で唯一無二の映画にしている。まるでマルチエンディングのオープンワールドゲームでやりたい放題しすぎた時のラストみたいになる。
でもほんと、ラストカットまで良いんだ…

悪人見てえなあと思った時は本作を見ると良いかも。仲代達矢による極上の凶悪侍が見れる。声良すぎ動き凄すぎ視線やばすぎ。