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富士山頂のyaaaのレビュー・感想・評価

富士山頂(1970年製作の映画)
4.0
富士山頂に気象レーダーを建てる。ほんとにそれだけの映画。
石原プロなんで劇映画だがドキュメンタリーより記録映画みたいな趣き。すげえソリッド。
冒頭、気象丁が大蔵省から予算もらうため交渉するところから始まる。えー!そんなところから始まるのと丁寧すぎるところに驚きつつ、二年で完成させないといけないというゴールが提示される。次に地盤調査と富士山に徒歩で登るかの如くゆっくりゆっくりとレーダー基地建設過程が展開していく。山頂に荷物をあげるのに馬からブルドーザーに時代の流れを見据えて切り替える步荷の親分・勝新太郎さん。作業員にブラックすぎると逃げられて工期ギリギリで「病気になったら仕事しなくてよい…」と社畜あるあるを言う現場監督の山崎努さん。台風接近直前に一瞬の隙をついてレーダーのドームをヘリの限界越えて運びあげるパイロットの渡哲也さん。それを見守るだけの活躍しない石原裕次郎さん。と飽きることはないがただただゆっくりと進行する。登場人物達の主義のぶつかりあいとか帰りを待つ家族達みたいな味付けは一切ない。盛り上がりに欠けるんだろうが、建設過程をすべて誤魔化しなしに画で見せるので凄いなぁと口ぽかぁ~んになる。大げさに言うと「地獄の黙示録」や「フィッカラルド」みたいな実際にやってます系の気迫も感じられる。黛敏郎さんの劇伴が怪獣映画みたいで怖い。
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