theocats

父の初七日のtheocatsのレビュー・感想・評価

父の初七日(2009年製作の映画)
2.0
台湾の葬儀の大変さを緩く揶揄、締めは感傷

葬儀アルバイト経験者の視点から興味深く拝見。
裏から見れば日本の葬儀も表面的な取り繕い的側面が強く、家格に応じた見栄の張り合いなど多少滑稽な面がないわけではないが、通夜・葬儀は二日で終わるなど割合簡潔的とも言える。
※しかし地方においてはうんざりするような冗長と感じられる葬儀風習もあり。

本作で描かれた一般家庭と思われる台湾の葬儀は始まりから終わりまで期間にして一週間。
古来からの風習しきたりは厳密のようで、泣きのタイミングも細かく定められているなどなかなか難儀。
死人の長男長女が病院で遺体受け取りから訳も分からないまま「葬儀請負道士(叔父)」に指図を受け、いわば翻弄される様はよく描かれている。

その合間合間に故人とのエピソードなども挟まれるが多少ユーモア的。

本葬も済み、それぞれ日常生活に戻ることになるが、長女は新しい職に就き数か月後海外出張に旅立つ時にふいに故人との思い出が悲しみとして強く湧きあがってくる・・・



視聴感は素直に言えばまったりし過ぎのやや冗長。90分と長くはないのでテンポよく終わってくれるだろうとの期待は裏切られイライラさせられたのは否定できません。ラストの感傷場面もこちらに届くほどではありませんでした。
少しだけオッ!となったのが日本語の歌(日本語のセリフも一瞬あり)が途中流れていることにすぐではなくしばらく経ってから気付いたこと。それだけ風景的、人種風貌的に我々と違和感が少なかったんだろうなぁと感慨。

002006
theocats

theocats