ブタブタ

カールじいさんの空飛ぶ家のブタブタのレビュー・感想・評価

カールじいさんの空飛ぶ家(2009年製作の映画)
3.0
20年くらい前の話しでしょうか。
ワイドショーなどで騒がれていた「風船おじさん」
概要はWikipediaを見れば分かるのですが『カールじいさん』は風船おじさんを元にしたと言われても頷ける程奇妙な符合が垣間見えます。
と、思ってるのは自分だけかも知れませんが。

風船おじさんこと鈴木嘉和氏はいわゆる「山師」的な人物で何か派手な事をしようとしては失敗する、そんな繰り返しの人生で最後は一発逆転を狙って「気球による太平洋横断の冒険」をマスコミ(特にフジテレビ)に触れ回りヘリウムガス入り風船・26個を装着した自作の風船ゴンドラ「ファンタジー号」に乗り、琵琶湖から旅立ちました。
そもそもこの日は飛行実験の名目で飛行許可も取っておらず突然ロープを外して「アメリカへ行きます」と行ってしまったと言うのですから完全に行き当たりばったりな計画とも言えないお粗末なモノで風船おじさんは半分はもうこの時点で死ぬつもりだったのではないかと思います。

度重なる事業による失敗から出来た約5億円にも及ぶ負債を返済する為に太平洋横断に際して複数のスポンサーがつき、成功すれば冒険家として世間の注目が集まりCMなどで多額の収入を得られると語っていたらしいですがハッキリいって『真夜中のカーボーイ』の「テキサスの田舎から出て来たカウボーイ(コスプレ)がその男性的魅力で都会の金持ち女を利用して一旗上げる」くらい不可能な話だと思います。

カールじいさんは冒険の果てに亡き妻と暮らした日々、日常こそが一番大切なモノと気づき帰ってきますが、そうではなくそのままファンタジーの世界に行ってしまったのが風船おじさん。
今も行方知れずの風船おじさんは何処に行ったのか?
きっと今も大空で冒険を続けているのでしょう…とかキレイに纏めたい所ですが残された家族の事を考えたらそんな事言ってられないし、身内にあんな人間が居たら迷惑でしかないでしょう。
ブタブタ

ブタブタ