法律や宗教を超えた圧倒的な"善"。
ビリー・ボブ・ソーントンが監督・脚本・主演を兼任し、知的障害の殺人犯と少年との交流を描いた映画。
実は「何が善で何が悪か」なんていうのは、本能的に人間の根源にあって、法律や宗教など人間が作り出したあれこれが、その判断を複雑にしている。(そういう概念が善悪を作ったという考え方もあると思うが)
この映画の主人公は知的障害者だからこそ、何にも余計な観念に邪魔されず、その根源的な善悪の基準に沿って行動ができるということ。
センシティブな題材の割には、時間がゆったりと流れているというか、結構牧歌的なシーンが多くて、全体的には温かい。
結構な田舎が舞台なんだが、よくある「閉鎖的な町の住民が差別的で…」みたいな構図じゃないのも凄く良かった。
基本的に世の中は寛容的に、良い方向に向かっている。だけどこの映画のドワイト・ヨーカムみたいな、ヘイトに満ち溢れた声の大きいマイノリティが視界を曇らす。そいうのが真理なんだと思う。