1950年代、ハリウッドに於ける"赤狩り"について描いた作品。ロバート・デ・ニーロ主演との事で、彼を目当てに鑑賞。
1951年のハリウッド。売れっ子監督のデビッド・メリル(ロバート・デ・ニーロ)は、20世紀フォックス社の社長ダリル・F・ザナックに呼ばれフランスから帰国。しかしその時既に彼は、友人の脚本家がHUAC(下院非米活動委員会)に召喚された際、メリルの名を挙げていた為、ブラックリストに載せられてしまっていた—— 。
今一度、赤狩りについてお勉強。
赤狩りとは…
政府が国内の共産党員及びそのシンパ(sympathizer:同調者、支持者)を、公職を代表とする職から追放するこ事。第二次世界大戦後の冷戦を背景に、主にアメリカ合衆国とその友好国である西側諸国で行われた。
共産党との関連を疑われれば、映画界から追放されてしまう。政府は疑わしい人物を片っ端から尋問し、共産党のシンパと思われる者の名前を吐かせようと躍起になっている。
名前を証言する許可が欲しいと懇願するバニー(デビッドの友人)の姿が印象的。
然し乍らデビッドが職を奪われ、FBIに尾行されても、証人として委員会に召喚される迄が些か冗長で退屈、そして地味。
しかし、物語終盤を飾る委員会の質疑は真に迫るものがあり、緊張感を一気に高めるてくれる。デビッドが声を荒げて質疑に答えるシーンについては、流石のロバート・デ・ニーロ。見応え十分。
デビッドとは別居中の妻を演じるは若かりし頃のアネット・ベニング。そして、デビッドの友人である映画監督の役でマーティン・スコセッシの姿も。
同じ赤狩りをテーマにした作品でいえば、「トランボ ハリウッドに最も嫌われた男」の方がわかり易いし、個人的には好き。