Hirommy

大人は判ってくれないのHirommyのレビュー・感想・評価

大人は判ってくれない(1959年製作の映画)
4.5
以前子どもに携わる仕事をしてた時、平成のドワネル少年(少女)に複数出逢い、18歳になるまでの子どもの度を越した問題行動は、ほぼ100%親の問題ってことを知った。邦題「大人は判ってくれない」は秀悦だけど、本意はそんな甘っちょろいもんじゃなく「大人になったら復讐してやる」位の憤怒の塊になっててもおかしくない。それにドワネルのしたことは盗みはしたけど、やられてること(教師からの虐め、親からのネグレクト)に比べてそんなに悪いことか??彼の眼差しは中学生の頃の私だと思った。そんな目つきを「反抗的だ」と断じる暴力教師を心底軽蔑してた。「反抗(期)」って言葉は、子どもに対する知識も想像力もない大人が自分のメンツを保つため、自分の理不尽は棚に置き、子どもを悪者にするのに便利な言葉とその時知った。昔の私もドワネルも「そうか〜」ってただ話を聴いてくれる大人が1人いれば違ったのだと思う。

元々端正な顔立ちのレオ、ラストFINでのカメラを見据えた強い眼差しにグッと来た。トリュフォーの自伝がベースだそうなので、あの辛い少年期を経て無事成長し、よく映画監督にまでなったねぇ〜としみじみと労ってあげたい気持ち。
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