Hirommyさんの映画レビュー・感想・評価

Hirommy

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カイロの紫のバラ(1985年製作の映画)

3.5

古き良き30年代のアメリカ。現代目線だと社会の素朴っぷりに郷愁を覚え勝手に「良き」としてるけど、不景気真っ只中に生きる当時の庶民からしたら、糊口を凌ぐだけの毎日のどこが「良き」なのかと文句も言いたくな>>続きを読む

愛と哀しみのボレロ(1981年製作の映画)

5.0

あっという間の3時間。心震えました。実在したヌレエフ、カラヤン、エディット・ピアフ、グレン・ミラーがモデル。モスクワ、ベルリン、パリ、ニューヨークの4組のカップル2世代の話。シレッと一人で親と子演じて>>続きを読む

ガザ 自由への闘い(2019年製作の映画)

5.0

ガザの惨状は数年とは言わずもっと前からそれなりに知ってるつもりではい。けど、それでも、ここまでかと打ちのめされるドキュメンタリーだった。パレスチナは射的場か?イスラエル軍の遊び場か?パレスチナ人は虫ケ>>続きを読む

レクイエム・フォー・ドリーム(2000年製作の映画)

-

んー、ドラッグへのアクセスが簡単じゃない国に住んでたのはとりあえずは良かったと思えただけ。そんな国で青春時代送るのも子育てするのも怖すぎる!雪崩式の悲劇。孤独を埋めるにしては余りにも代償が大きすぎる。>>続きを読む

ストップ・メイキング・センス 4Kレストア(1984年製作の映画)

5.0

IMAX鑑賞。あ〜良かったあ!なんという臨場感。オープニングからおおぅ!と身体が熱くなる。トーキング・ヘッズを初めて知ったのは90年代イギリスお茶の間のTV。音楽番組から低音重厚なドッドッドッドッドッ>>続きを読む

もののけ姫(1997年製作の映画)

5.0

1997年公開から27年も経ってるのだからその間ちゃんとやり直せておけば地球もこんなに傷ついてなかったのにとヒリヒリした気持ちで観てた。宮崎駿は「人間と自然の共生」の問題をアニメに乗せてずっと何度も警>>続きを読む

ベルリン・天使の詩(1987年製作の映画)

4.5

手をゴシゴシこすると気持ちいいー思わずやってみちゃいました。後に元天使ダニエルも、人間界で手をゴシゴシやりながら歩いてて思わずニヤリ。嗚呼この感じ知ってる…そうだ、「初めて♡」の驚きと喜びを全身全霊で>>続きを読む

パリ、テキサス(1984年製作の映画)

5.0

年末はRy Cooderカバーもする超絶格好良いギタリストのライブと、ヴィム・ヴェンダースのパーフェクトデイズで終わったので、その流れで新年(もう1月半ばだけど)1本目は同監督のコレ。いやぁ心震えまし>>続きを読む

PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

5.0

役所広司がまんまトイレ清掃人平山にしか見えないほど役にドはまり
。格好いい音楽と文庫本と写真に囲まれ、質素ながらも穏やかな日々を送る初老イケオジ素敵過ぎる。「朝日の当たる家」は若き日のバンド青年役所広
>>続きを読む

終わらない週末(2023年製作の映画)

3.5

停電で外からの情報が遮断されただけで途端に「終末感」を覚えてしまう脆弱な現代社会。これに似た不穏は福島原発事故で、隔離感はコロナで私たちはリアルに味わった。ジュリア・ロバーツとイーサン・ホーク演じる都>>続きを読む

おとなのけんか(2011年製作の映画)

3.7

子どもの喧嘩、特に怪我が絡むと親は加害者被害者どちらの側になっても心臓が潰れそうになるもの。お互いの主張をしながら双方の着地点を見つけることの難しさよ。最初は大人の話し合いで穏便にことを済ませようとし>>続きを読む

ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

4.2

気になってたのに初ウェス・アンダーソン。レトロポップでどこか東欧雑貨チックな画、PARCOが似合うお洒落センス、毒々しくないカラフルな色彩。それらにベネディクト・カンバーバッチがしっくりマッチ!カメラ>>続きを読む

アラビアのロレンス/完全版(1988年製作の映画)

5.0

子供の頃TV放映時にチョロ見しただけなのに、目に焼き付き耳に残っていた映像と音楽。最初美しい砂漠にうっとりしながらも、ホモソーシャル軍隊組織アレルギーの私は途中までは「ああ結局戦争物か。これが4時間か>>続きを読む

ブルース・ブラザース(1980年製作の映画)

5.0

何度観ても笑える!台詞も全部覚えてる位観てる。なのに毎回群衆のツイストダンスには浮き浮きするし、警察のやり過ぎ大群出動には笑ってしまう。全てのシーンが笑えるか格好良い音楽に唸るかのどちらか。破茶滅茶ス>>続きを読む

ガザの美容室(2015年製作の映画)

3.7

先日ニュースでガザの11歳の女の子が「生まれた時からずっとずっと怖い思いをしているの」と泣いていた。そこに生まれただけなのに生涯怖い思いをしているなんて。なんて苛烈な人生。胸が痛い。

そんなガザ地区
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

3.8

寝る前にぴったりの映画だった。何も起こらず淡々と静かな会話だけが続く。ああ、このアメリカのうらびれ感。だだっ広いだけに余計に感じる寒々しい郊外の街。森でのキャンプと会話劇、大人版スタンド・バイ・ミー?>>続きを読む

モガディシュ 脱出までの14日間(2021年製作の映画)

4.0

韓国ものは数えるほどしか観てないけど、これも他韓国作品に違わず面白かった!ソマリアで内戦に巻き込まれた南北の大使館員と家族の脱出劇。戦闘下での南北接触という二重の緊迫感。極限下で徐々に生まれてくる心の>>続きを読む

ハッピー・オールド・イヤー(2019年製作の映画)

4.0

私の中でのタイは、昔放浪した猥雑さと混沌で埋め尽くされた発展途上の魅惑首都バンコクのイメージが強い。そのタイのお洒落現代映画ってどんな?とまず興味。この映画に出てくるのはそんな中でも、ミニマリスト的生>>続きを読む

福田村事件(2023年製作の映画)

4.5

井浦新の終始苦悩する姿、田中麗奈のお嬢様らしい奔放さと芯の通った正義感、豊原功補村長のヘタレリベラルっぷり、水道橋博士のクソ軍人っぷり、ピエール瀧新聞社部長の権力への阿っぷり、コムアイの他所者臭プンプ>>続きを読む

悲しみに、こんにちは(2017年製作の映画)

3.5

両親を亡くした幼い少女フリダ。大自然に囲まれた田舎に住む叔父夫婦に引き取られ過ごす一夏。演技が全員自然過ぎて、多くの人が言うようにドキュメンタリーを観ているよう。フリダの憂い、年下従妹アナの無邪気さは>>続きを読む

未来世紀ブラジル(1985年製作の映画)

4.0

1987年作品。行き過ぎた管理社会ディストピアを描いた作品。何度目かの観賞だけど、今回は純粋には楽しめてないことに気づいて驚いた。AIオートメーションやらマイナンバーやら情報操作やら、ディストピア加速>>続きを読む

この世界の(さらにいくつもの)片隅に(2019年製作の映画)

4.5

瑞々しい…!とうっかり言いたくなるような戦争映画。おっとりとした若くピュアな主婦すずの視点から描かれる戦争。ごくフツーの日常にいつの間にかフワッと入り込んでいる戦争。家族で他愛もない会話して、冗談言っ>>続きを読む

アメリカン・ユートピア(2020年製作の映画)

5.0

配信で3回目鑑賞。過去2回は映画館にて。トーキングヘッズは20年以上聴いておらず、お久しぶりのグレーヘアーのデイビッドバーン。観た瞬間から懐かしさと、素敵な年の取り方をしてて安堵感でキュン死しそうだっ>>続きを読む

バビロン(2021年製作の映画)

4.0

バビロンはメソポタミア文明の古代都市。そしてまさに一国家のような強大な権力を持つハリウッド。強烈な光と闇。栄枯盛衰。ラ・ラ・ランドとはテーマが表裏一体で、音楽や雰囲気までもが似過ぎていて戸惑ったけど、>>続きを読む

大地よ アイヌとして生きる(2022年製作の映画)

3.5

ドキュメンタリー作品としては、俳優宇梶剛士の母・静江さんの生涯をサラッとなぞったという感じでちょっと物足りなかった。アイヌとして生まれ、就職差別に遭い上京、和人と結婚、子をもうけ、詩を書き、アイヌ復権>>続きを読む

フレンチアルプスで起きたこと(2014年製作の映画)

3.0

うーん、これは最後まで観続けるのなかなかキツかった。雪崩の時は妻のみならず、男の子がパパー!って叫び続けてたのにそれも耳に入らない程テンパったんだとしたら、それはそれでダサ過ぎるし、子供も傷ついてるよ>>続きを読む

標的の村(2013年製作の映画)

4.0

基本的人権の侵害。沖縄の人が受けてる苦悩。沖縄の米軍問題はなかなか全国ニュースにあがってこない。そして見える形で沖縄に全部苦難を押し付けてるけど、本当は日本全体が「標的」になりえることをこのドキュメン>>続きを読む

タシちゃんと僧侶(2014年製作の映画)

4.0

【優しい世界】
チベット僧侶が開いた孤児院。子供時代に何よりも大切なことは、自己肯定感なんて小難しいことじゃなく、もっと単純に温もりのある「安心感」。同じ地球上にこんな優しい世界があること、こんな徳の
>>続きを読む

博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか(1964年製作の映画)

4.0

妄想と狂気のバカマッチョたちの有害さを顕わにし、ソ連に核攻撃だなんてストーリーを冷戦真っ只中に製作しちゃうキューブリックはやっぱりイカれてる。最近、邦画や日本のドラマ観る度に感じる硬直感と物足りなさが>>続きを読む

REVOLUTION+1(2022年製作の映画)

3.0

安倍元首相を銃撃した山上徹也容疑者を描くドキュメンタリー風作品。3日で脚本書き上げ、制作から映画館上映まで2ヶ月は日本最短記録だそう。確かに荒削りではあったけど、国葬前のタイミングで世に送り出した作品>>続きを読む

ファンタスティック・プラネット(1973年製作の映画)

5.0

これまでは、ヒエラルキー逆転で人間が他生物の下に置かれる設定作品を見ると言葉にならない恐怖感でザワザワしてたのに(進撃の巨人とか猿の惑星とか)、今回はまったくそうはならなかった。何と独創的でシュールな>>続きを読む

浮き雲(1996年製作の映画)

4.5

カウリスマキ初鑑賞。なるほど独特で地味で滋味深い…。フィンランド+食堂開店シーンだけは「かもめ食堂」と同じだったけど、これに比べたらあっちは「お気楽自分探しの延長」で、こっちは「人生再起を賭けた勝負」>>続きを読む

デヴィッド・ボウイ 最後の5年間(2017年製作の映画)

4.0

2016年David Bowie 死去。69歳。死からも超越してそうな常人離れした存在。そのボウイが死ぬってどういうこと?と混乱気味にニュースを見たのを覚えている。死去はBlack Star ★ の発>>続きを読む

かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.5

昔、北欧好き友人に勧められて観た時は観たのが太陽ギラギラの南国で、フィンランドの空気感からはあまりにもかけ離れてたせいか、自分も若くてエネルギッシュだったせいか、淡々とした本作品はあまりピンと来ずむし>>続きを読む

レディ・バード(2017年製作の映画)

3.5

最近観た「20センチュリーウーマン」でシェアハウスに住むイカしたお姉さん演じてたグレタ・ガーウィグの半自伝的監督作品ってことで観てみた。グレタと似た感じのシアーシャ・ローナンが田舎町のカトリック校に通>>続きを読む

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