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耳をすませばのmayuのレビュー・感想・評価

耳をすませば(1995年製作の映画)
5.0



ジブリの中で一番好きな作品。
高校生の頃に雫と聖司に出会って、初めてDVDを買って、何度も何度も大好きなシーンを見返した思い出がある。

当時、高校生だった私は、この二人の関係性に憧れて、胸を打たれた。純粋に素敵だと思ってたし、きっとこの二人ならイタリアと日本の遠距離恋愛でも結ばれると思ってた。


最近、またこの映画が観たくなった。
(二人に会いたくなったと言った方が正しいかも)
初めて観た時から随分大人になった私(笑)
今観ると、全然違った角度から観ることが出来た。

雫は家族4人の団地暮らし。お父さんは図書館で働いてる。これが雫が物語が好きになったきっかけだろう。
お母さんは、大学院生。これにはびっくり。今気がついた。普通の、一般的な家庭だと思ってた…(遅い)
でも自分の人生を生きていて、素敵。
(雫の、1つの物事に対して最後までやり遂げるエネルギーはここからくるんだろう)
お姉ちゃんはしっかり者。勉強もしながら、この家の主婦業もこなしてて、お母さんの代わりでもあるみたい。

一方、聖司の家族はおじいちゃんしか出てきてないけど、
都内に自宅以外の、趣味のための家があるおじいちゃんが居る。
小さい頃からヴァイオリンと触れ合えて、弾くことも、作ることも出来る環境。
イタリアへ修行に行こう!と発想する事自体が、とっても金銭的に裕福で恵まれた環境だという事が分かる。
学校に本を寄付するようなお家柄。
そして学年の中でも、みんなとは少し違う、特別な存在だったことが雫の友達の発言から分かる。

雫の親友の、夕子。
夕子も都内に一軒家があって、雫とは違って自分の部屋がある。(しかもめちゃくちゃ可愛い)
犬も飼ってて、失恋したからって大切なテストの日を休めるような、愛娘に少し甘い両親。

この"実家の太さ"だけで、もうなんとなく、私は二人が結ばれないのではないか、と思い始めてしまった。(本心は結ばれて欲しいよ勿論)

お互いが尊敬し合ってて
お互いの存在が、自分自身を動かすエネルギーの源になってて切磋琢磨している姿を観ると、やっぱりこの二人の尊敬と恋愛のバランスは素敵だなと改めて思う。

そして、もし、この二人が結ばれる未来じゃなかったとしても
この思い出が、記憶が、経験が、きっと今後の人生を豊かに生きていく糧になると思う。


私が一番好きなシーンはやっぱりみんなでカントリーロードを弾いて、歌うシーン。
一人弾き始めて、その音にみんなが参戦していく感じが一番楽しいの。


やっぱりジブリ作品の中でダントツで大好きな作品だった。
10代の頃に好きだったものは、大人になってもずっと好きだね。
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