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久しぶりに鑑賞した。
名匠、フレッド・ジンネマン監督による、サスペンス映画の名作だ。
非常に面白かった。
BGMを極力排して、静かに淡々と物語は進んでいくのだが、そんな中でも伝わってくる緊張感と興奮。
手汗の処理に追われながらの鑑賞であった。
古い映画だが、是非とも観ていただきたい作品である。
1963年、アルジェリア独立に反対する極右組織が、ドゴール大統領の暗殺計画を実行する。
その作戦は失敗に終わるのだが、それを受け、彼らはプロの殺し屋に依頼をする事に。
その殺し屋がデューク東郷・・ではなく、“ジャッカル”だ。
ジャッカルは緻密かつ周到に暗殺準備を進めていく。
一方でパリ警察の捜査陣は、極右組織の動きを掴み、“ジャッカル”という暗殺者が暗躍している事を突き止める。
物語は双方の動きを替わりべんたんに描き出し、サスペンスを盛り上げていくのだ。
6月に始まった暗殺計画は、8月25日の解放記念日に向けて動き出す。
この間、デューク東郷・・違う、ジャッカルは様々な準備を怠りなく進めていく。
彼は大胆不敵だが、実に用心深くもある。
ひとつの計画にこだわらず、予備の計画、予備の予備の計画を準備する。
更に、特異な嗅覚があるのか、ギリギリのところで捜査の追及をかわしていくのだ。
かたや、捜査陣も黙ってはいない。
大統領暗殺など国家の一大事だ。
なんとしてでも、デューク東郷・・違う、ジャッカルを特定し、犯行を未然に防がなければならない。
彼らはジャッカルの一つ目の顔、二つ目の顔を暴き出し、次第に奴を追いつめていく。
果たして、最後に勝つのはどちらなのか!
そんな物語なのである。
まあ、ドゴール大統領が暗殺されたという史実はないので、結果は言わずもがなである。
それでも面白いものは面白い。
もしかして、暗殺成功するのでは?
と思ってしまう。
このデューク更家・・違う、ジャッカルのクールな立ち居振る舞いを見るかぎり、失敗するとは到底思えないのだ。
静かな映画だが、全く退屈する事なく鑑賞できた。
手汗脇汗を感じられる傑作サスペンスだと言えよう。