ペイン

先生を流産させる会のペインのレビュー・感想・評価

先生を流産させる会(2011年製作の映画)
4.0
『ミスミソウ』の内藤瑛亮監督を世に知らしめた暗黒青春映画の傑作!

ではあるのだが…

そのタイトルから安易に想像できる通りたいへん好き嫌いはわかれる映画なのは間違いない。

とはいえそういったタイトルのインパクトに頼って観客の気を惹こうとしているだけの陳腐な作品とは違い、実は奇をてらった演出等は少なく、根底に流れているテーマも至って真面目。思春期に誰もが一度は抱くであろうセックスに対する嫌悪感等、普遍的な気持ちをドストレートに的確な演出手腕でもって描写されます。ラストもしっかりドスンと腹にくるものがある。

なんとも耳障りな気味の悪い音の使い方も印象的で、アバンタイトルからの~オープニングの流れなんかもめちゃくちゃ巧い。それと“流産させる会”こと女子グループのリーダー格であるミヅキの圧倒的なボス感、顔つきも素晴らしい。先生役の方も芯の強さを感じさせる綺麗な方で、とてもハマっていたと思います。

“現代の中学生VS女教師”という構図から中島哲也監督の『告白』が連想されるが、『告白』が“先生が先生であることをあきらめる映画”であるとするならば、本作は“先生が先生であろうとする映画”だと思う。
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