ぶちゃ

脱出のぶちゃのレビュー・感想・評価

脱出(1972年製作の映画)
5.0
「悪魔のいけにえ」がホラーの金字塔として未だに評価されているのに、この作品の認知度か低いことが未だに理解できない。

作品概要としては、両作ともに"田舎スリラー"であって、未開のアメリカ南部でヒルビリーに襲われる点では共通。

直接的なショッキングシーンこそないものの、本作で描かれるヒルビリーの恐怖は生々しく恐ろしい。
それも「悪魔のいけにえ」同様に常識の通じなさを根底に描かれているのだが、そこにおいてしっかりと"社会"というものが対比として描かれている辺りが本作の強みとなる。


作品背景が"70年代の自然開発"であることから自然への抗えない無常観や、社会的制裁への恐怖やヒルビリー達のような無社会への恐怖といった、自然と社会の間に置かれる人間という当時の高度開発期の人間模様をメタ的に恐怖的に描いており、一筋縄に田舎者に襲われて怖いという範疇に収まらない高次元な恐怖が描かれた名作。
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