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憂鬱な楽園のryoのネタバレレビュー・内容・結末

憂鬱な楽園(1996年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

最初の賭場の場面のイカつい見た目に反して、劇中では特段凄い事や悪い事も何も起こさないし、起こらない。

ダラダラと女々しく悩んだり、壊れそうなバイクでカッコつけて走ったり、酒を飲まされて潰れて弱音を吐いたり、後ろで弟分が金の事で気が立っているのに呑気に犬にご飯をやったり、しがない料理屋を営んでいたり、中国に料理屋を出すという夢を語りながら全く実現する気がなかったり、英語が話せないからアメリカに行くのを怖がったり、バレバレの作戦を立てたり、、、

映画の表面上では一見クライム感やアナーキーな感じのする中で、 
実際の中身は、侯孝賢的なダラダラした、ゆったりとした、何にも到達しないその一瞬一瞬の唯一無二の時間と、その流れていかない時間をただただ感じる。

一見強ぶってみえるのに、 
弟分より全然ダメな感じと、でも良い人そうな感じが、とてもやるせなくて、とても愛おしくなる。
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