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憂鬱な楽園のuedashinjiのレビュー・感想・評価

憂鬱な楽園(1996年製作の映画)
5.0
映画は、男のことを、少しづつ少しづつ分からせていく。男は、半端なヤクザをやっている。男は、別の土地へ行きたいと思っている。男は、使えない手下とその女を、抱え込んで暮らしている。男は、それなりに信頼されているが、才覚はない。男は料理人でもあるらしい。男はやさしすぎて誰も助けられず、どこへも行けない……。

そこに映されるのは、楽しくない人生の、ほとんど無価値な時間なのだけれど、はじまってしまったら、そんな世界の美しさを、目を見開いて見続ける他ない。
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