イチロヲ

恥辱の部屋のイチロヲのレビュー・感想・評価

恥辱の部屋(1982年製作の映画)
4.5
自動車事故の影響によりインポになった夫(鶴田忍)が、3人の会社同僚を自分の妻(風祭ゆき)と引き合わせることにより、充足した性生活を実現させようとする。訳あり夫人による「性の自立」を描いている、日活ロマンポルノ。

主人公夫婦は、インポの穴埋めをするべく、性愛行為の多様性を追究している人物。「夫人の自由恋愛を尊重するプレイ」をメインに扱いながら、夫人に振り回される同僚たちの悲喜を、ドラマに盛り込んでいく。

背徳的なことをやりながらも、夫婦共々、明るくフィジカルな言動に一貫しているところが面白い。これが「良きこと」だと思い込みながら、本能で突き進んでいる感覚を楽しむことができる。とりわけ、三上寛登場からの畳み掛けがインパクト絶大。

しかしながら、夫婦がプレイ内容を総括するのは、やらないほうが良かったかも。最後の最後まで夫婦間の暗黙の了解にして、ふたりの心理を鑑賞者に汲み取らせる作劇のほうが、意に適う作品になっていたかも知れない。
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