こまち

トレインスポッティングのこまちのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
3.9
禁薬しようと心に決めるも、中々抜け出せない若者達。
薬物の恐ろしさも実感できるけど、それがどうこうよりもむしろ生き方というものを今一度主人公と共に見つけ出すような映画だった。

薬物に溺れる若者映画かと思いきや、主人公の語りの詩的な言い回しとか、心に響くセリフがある。撮り方やストーリー構成も洗練されている。

とはいえ、精神的にくるくらいかなり汚く不快な場面も出てくる。部屋とかゴミとシミだらけで超汚いし、薄暗い画面も相まって逆にここまで世界観作れるのがすごい。
せっかくいい映画だったけど不快感が勝ってしまったので、若干スコアは低めになってしまう…

でもファンが多いのも納得の映画。

主人公の両親が息子を認めて一緒に闘ってくれているのが救いだった。
しかし、一度手を出してしまったもの、それに関わるワルい仲間とは、断ち切ろうにも中々断ち切れない。
その仲間とつるむのが楽しい時もあれば煩わしくなる時もあり、悲しい出来事も劇中で起こるけど、最終的にレントンが新しい道を切り拓き、ちゃんと大切な仲間には恩を返すような希望のあるラストだった。


社会に出る難しさ、というかそもそも社会に出たくないという葛藤があって、加えてそもそもいい生活って何?というところに始まり、そういう悩みがある人に響くと思う。
私も社会に出られるような人間じゃないしなんなら出たくねえ…と思いながら、真剣に考えないといけない時期なので身に染みた…
でも本当に、所謂良い生活ってのは社会にとって都合の良い生活なだけであって、それぞれに生活があって然るべきだと思う…!
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