すえ

トレインスポッティングのすえのレビュー・感想・評価

トレインスポッティング(1996年製作の映画)
4.5
記録

意外とちゃんとしてるな、カット割りまくってるからテンポが良いし、何より映画自体が短くて良い。別に展開はドラマティックじゃないけど演出と撮り方で個性が出てる、ちゃんと撮れる(面白い撮り方をする)人だから上手くいってるとこはあるんだろうな、下手くそがやったらホントのカス映画で終わってる。色彩感覚がとても良いと思う、目に焼き付く画面。計算し尽くされた構図がスタイリッシュさや狂気を演出する、そこにあるのは理性的な狂気。

この鬱屈した映画の最大のカタルシスは、レントン(ユアン・マクレガー)がグラスに入った酒を流し、水道を捻り、そうして水を飲むシーンに凝縮されている。死ぬほど単純な記号だけど、シンプル故にとても効いている。

これ観てる俺映画知ってますワ〜、みたいなノリがキモすぎてずっと避けてたけど案外楽しめた。でも『トレインスポッティング』(『パルプ・フィクション』も)のTシャツ着てるやつあんま信用してないです。

離婚したうちの親父が『トレインスポッティング』を好きだった、ファッションも体型も寄せてて、家にポスターなんかもあって。車でこのサントラばっかかけるから、知ってる音楽ばかりだった。別に誰がどんな映画を好きであっても一向に構わないんだけど、DV親父がこれ好きだったのはなんかムカつくんだよな、映画はカッケェけどお前はクソだせぇぞと言ってやりたい。俺はオカンと姉貴とこの映画を観たぞ、おめーは独りで観とけ!

2024,138本目 5/27 U-NEXT
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