くじら

ウィッカーマンのくじらのレビュー・感想・評価

ウィッカーマン(1973年製作の映画)
4.5
プロジェクトが完遂され、王の威厳に勇気をもらえる。最後の捧げ物への歌で大泣きしてしまった。

カルト映画は、やっぱりみんなが楽しく健やかでなければだめだ。『ミッドサマー』との比較になってしまうけど、お祭りなんてものは私服で出て、少し楽しい仮装をするものなのだ。
それ以外は普通に暮らし、豊かな自然とともにあるんだ。そのリアリティが暖かく、領主や先生の理知的な愛と威厳で成り立っていた。

とにかく領主の王たる様子が見事すぎた。子どもの前で大人を好き勝手に叱りつけるハウイーに対し、島民の前で「必ず来年は実を結ぶ」と宣言してみせる領主。そして不測の事態たる凶作時でも決して取り乱さずに生贄に敬意を示す領主。

画面全体が常にハウイーをクスクス笑いで見つめるような演出に楽しませてもらった。収穫祭の馬がハウイーを誘導するシーンの愉快さったらない。

お面も最高。知識のあるサケ、お肉屋さんの牛さん、みんな可愛い。

毎年5月に見て元気をもらう習慣をつけよう。
くじら

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