羊の群れは丘を登る

小さな泥棒の羊の群れは丘を登るのネタバレレビュー・内容・結末

小さな泥棒(1988年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

 1950年フランス中部の小さな町に暮らす16歳の少女ジャニーヌ。
 ジャニーヌの母親は5年前に蒸発し、叔父と叔母と暮らしていた。
 彼女は度々物を盗んでは、問題を起こしていた。
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 ジャニーヌは『なまいきシャルロット』のシャルロット・ゲンズブールが演じる。

 思春期の苛立ち、町の外の世界を夢見ること、大人ぽっくする背伸びのところは『なまいきシャルロット』と共通。

 相違点は思いっきり男女関係を描いているところ。
 ジャニーヌ自ら、妻子ある男性を誘惑して不倫し、さらに青年とも関係を持ち、二股をかける。

逮捕され、修道院で更生する場面
 少女達が通ると、母親連れの女の子がニコニコしながら石を投げるところ。
 リーダー格の少女とジャニーヌが仲良くなり、もともと仲良かった少女がハブられて孤独を感じて自殺するところ。
 さらりと描いているところの怖さ。 

  重苦しくて悲惨な道を少女が辿ってるんだけど、ラストはジャニーヌの決意とともに、海辺の風景が切り取られて、ハッピーエンドじゃないかと感じてしまう不思議さ。