キック・アス以上に過激な、日常から狂気へのある種の転落型ヒーロー映画。全くヒーローに見えない。しかもグロい。ヒロインの顔もすっ飛ぶし、敵の体は粉々になる。敵を轢いて足を粉々にして爆笑するシーンや、人の名前で笑うシーン、コマとコマの間の退屈さに耐えられないシーンが明らかに正義ではなくて、よいヒロイン像だった。啓示を受けるシーンは宗教っぽさもありつつ悪趣味でやっぱりグロい。あえてのダサさ、グロさ、エロさ、命の軽さに驚く。しかし、なぜかラストの完璧な瞬間の絵のシーンは妙な感動があった。そのときのテーマ曲が不思議と切ない。ブラックコメディで、かなり悪趣味なのに切なさの残る不思議な味わい。見終わってから、いまだに印象的なため、評価がじわーっと上がった。当時は3.4。
