すいかのたね

ザ・リングのすいかのたねのネタバレレビュー・内容・結末

ザ・リング(2002年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

あれ、ハリウッド版みたはず…だと思ってましたがこれは未見だったようです…呪怨と混同してたか?
思いの外、雰囲気は悪くない、結構しっかり元のJホラー感を演出できてると思います。ただ、ハリウッドだからなのかかなり『直接的だな~』と思うシーンがあるのと、作品としてリングの要素だけすくい取って、元々あるちょっとした悲哀みたいなものがバッサリ切り取られてるのが気になりました。

直接的だと思ったシーン
・フォンっとTV画面に映る幽霊っぽい何か。
・ゾンビすぎる死に顔。
・呪いのビデオが長すぎでかつ、不要な不気味さがある。
・ビデオ視聴後『あと7日』という直接的すぎる電話が掛かってくる。
・他、色々『君呪われてるよ』演出が多すぎる。
・途中の明るい画面で貞子(サマラ)のビジュアルをガッツリモロ出し。
・何故か馬が大量に被害者となる(これは意味が分からない)。

この辺はハリウッド版の追加や変更であり、リングとしては加点になってないなと思いました。これ見ると原典の『怖い部分はラストに全部持ってくる』という手法は、貞子のインパクトが本当に炸裂しており、やはり上手かったんだな~と思いました。

まあ日本版も当時のホラー感覚や、ビデオとTVという、どこにでもあるけど呪われる手段が限定される感じと、謎の解き明かし、最後に出てくる貞子のビジュアルと『目』が非常に上手くハマったのでしょうし…正直一発ネタ(という発明)の手法をそのままやっても『じゃあハリウッド版作る意味は何なの?』ってなるでしょうからやむなしと思いますが、やっぱり上記が上手く機能してたかというと何ともかな~、直接的な部分は文化の違いなのかな~…。

しかし話に馬を絡めるのは本当に意味不明でした…ハリウッド的にサマラが子供だから人だと不都合だったとか?


その他、疑問と微妙だと思った箇所
①謎解き終盤とサマラの死んだ場所
サマラの出自を辿ったまでは良いのですが、そこからの謎解きが結構面白くない、というか山小屋の井戸と出自の場所の距離がよく分からない…これ説明されてたかな?母親とサマラはあの井戸の場所まで何で行ったんでしょ?サマラを殺すためだけ??メタ的に井戸はリングであるため仕方なく出てきた場所って感覚でした。

②そもそものサマラ
サマラの能力と、何でこの世に恨みを持ってるかがよく分からない…なのでサマラに感情移入できないのですが、これがマイナスだったと思いました。
Jホラーを踏襲するならば、幽霊を幽霊たらしめる理由がやっぱり要ると思うんですよね~。幽霊となる感情の過程があるから、Jホラーはカタルシスが出てくるんだと思うし、そこが欠けている本作では、サマラは単なるウィルスみたいな存在で、舞台装置っぽさが強すぎたかと思います。

③ラスト幽霊サマラの出てくるシーン
うーんこれは…動きが早いしゾンビ顔がモロ見えるし…そのワリにTVから出てきたシーンは異様に身なりと髪の毛が綺麗だし…ハリウッドとJホラーのちぐはぐさが悪い意味で出てたかなと思います。

長々と思ったことを書きましたが、でも全体としてそこまで悪くなく、及第点レベルはある作品だと思いました...平均評点低いな~。
すいかのたね

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