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007/死ぬのは奴らだのsayuriasamaのレビュー・感想・評価

007/死ぬのは奴らだ(1973年製作の映画)
3.9
3代目ボンドが颯爽と登場する新時代の幕開け

さて007シリーズを気の向くままにレビューしておりますが今回はロジャームーアがスクリーンで初めてボンドを演じた『死ぬのは奴らだ』を取り上げます。

オープニング曲はポールマッカートニーの"live and let die".そういえば「ビートルズは耳栓をして聞け」なんて言ってた気がしますが、こんなとこにも新時代のトレンド(流行りは積極的に取り入れる)へのスタンスがうかがえます。ロジャームーア、実はショーンコネリーより3つ年上のはずですが....本当に若々しい!まだ青年風な雰囲気が残る(って撮影時44歳とか45歳くらいのはずだから...)ボンドなのでこちらも清純な雰囲気の占い師、ソリティアともバランスが取れています。

ですがね~。ちょっとストーリーは残念ながら間延びしてますね。前半のアクションや偵察シーン、タロットの伏線はいいのですが、後半はトロピカルな国で壮大に鬼ごっこしてる感じにしか見えません...何度も何度も同じことやってるようで飽きてきます。また、ところどころコネリー風のマッチョな描写がムーア=ボンドにはあんまりなじんでないというのでしょうか...もちろん後々のムーア=ボンドが見せない行動(ロージーに銃を向けるシーンなど)も楽しめることは楽しめるのですが、終始初代の影がちらついてしまい結果的にボタンを変え違えたまま最後までいってしまった感じですかね。

でもロージーをものにした後(屋外っていう趣味も野性的だなあ..)
「抱いた後には殺せないでしょ?」「抱いた後だから殺せるんだよ」のやり取りはナカナカなものですね~

うーん、ロジャームーアのボンド映画って彼の若々しさとストーリー性が反比例しているようで、前2作はカッコいいのに惜しい作品、中期2作はちょいと渋くなってきてストーリーはそこそこ良くって結果バランスのとれた作品、最後の3本はさすがにおじさまになって、ハードアクション続きでかわいそうなのにストーリーは結構面白いという感じでどれを見てもまた見たいなあーという気にさせるところがポイントですかね。
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