Kumonohate

陽気な殿様のKumonohateのレビュー・感想・評価

陽気な殿様(1962年製作の映画)
4.0
江戸屋敷を抜け出して町人と遊ぶなど自由すぎる大名の跡取り息子(市川雷蔵)が、跡目相続のために、国元の姫路まで旅に出るコメディー&ロード・ムービー。お供を振り切って遊び仲間の町人2人と気ままな旅を続けるが、途中、剣の腕のレベルを確認しようと辻斬りを繰り返す迷惑な浪人(天知茂)と出会ったり、高僧に修業と称して遊郭に連れて行かれたり、埋蔵金の地図を体に刺青された腰元(高田美和)を押しつけられたり、明石藩のお姫様(坪内ミキ子)を誘拐したりと、それはそれは賑やかなストーリー。

雷蔵は楽しそうだし、振り切られたお供の側用人はとぼけた味わいだし、道連れの2人の町人は陽気だし、高田美和はキレイだし、本作がデビューの坪内ミキ子はキュートだし、とにかく登場人物が魅力的。中でも最高なのが迷惑辻斬り野郎の天知茂。他のキャラが揃いも揃って明るいのに、ひとりだけコワい顔して目がイッちゃってる。その周囲からの浮きまくり感が実に笑える。

大仰な台詞や派手な芝居や大袈裟な表情で笑わせるのでは無く、どのキャストも普通に真面目に演じているだけなのに、状況設定がとぼけていたりシュールだったりズレていたりするもんだからフフフと笑ってしまう。昔のコメディーってそうだったよな、最近じゃ余り見ないよな、なんて思ってしまう。
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